懐かしき60年代 文:河村正行  A&V village第40号 village回顧より

 

ステレオ放送はAM2局方式から始まった    

   50年代後半。立体音楽がAM放送で流れていた。
AMステレオ放送が行われ、ラジオもデジタル化しようという現在では笑い話のようだが、
AM放送2局を使ったステレオ放送がおこなわれていた時代がある。
FMの実験放送が始まったのは昭和32年(1957)、ステレオ放送の開始は38年。
しかし、LPやステレオレコードの発売でオーディオ熱が高まっていた。
で考え出されたのがAM2波を使ったステレオ放送だ。
歴史は意外に古い。昭和27年(1952年)にNHKが第一放送と第二放送を使った実験立体放送を行っている。
29年には「立体音楽堂」として週一回深夜に30分番組として放送されるようになる。
この年のオーディオフェアーではオーディオ協会がNHKに頼み込み、フェアーのための電波も出してもらっている。
 さらに、同じ年の年末にNHKはラジオの第一と第二とテレビを使った3元立体放送で歌劇を放送。
負けじと民法もラジオ東京、日本文化放送、日本放送が共同で3元立体放送の公開実験をした。
3元、つまり3チャンネルの立体サウンドは昭和31年にコマ劇場と梅田劇場で公開されたという。
この頃レシーバーやアンサンブルステレオはAMチューナーを2つ持ち、他にFMチューナーを搭載。
短波チューナーを内蔵してしているものも多かった。
昭和34年(1959年)には文化放送とニッポン放送で毎日の帯番組として「パイオニア・イブニング・ステレオ」が始まった
 立体放送という言葉からステレオといういい方が主流になるのもこの頃。
さて、どのような放送だったかだが、実際に聴いた記憶があるような、ないような。
ともかくラジオが1台だったら片チャンネルの音しか聴けない。
素朴ないい時代があったのです。

 
サンスイ SM−21   サンスイ SM−80
パイオニア PSC−5A  
パイオニア SM−B200   パイオニア ?
所有
レシーバー

残念ながら
音でません